2017年
『American Dream』LCDサウンドシステム - LCD Soundsystem〔2017〕
P「ニューヨーク出身のジェームス・マーフィーのソロ・プロジェクトによるダンス・パンクバンドの新境地を開いた傑作4thアルバム」
W「今までに比べてバンド感が増した感じになっていて、新しく進化したというよりはどちらかというと古いサウンドを取り入れて進化したような内容となっています」
『Pure Comedy』ファーザー・ジョン・ミスティ - Father John Misty〔2017〕
深みのある歌声とオーケストラ・アレンジをほどこした壮大な楽曲が圧巻!
P「本名はジョシュ・ティルマンで、アメリカ、メリーランド生まれのシンガー・ソングライター兼マルチ奏者のファーザー・ジョン・ミスティの3rdアルバム」
W「彼を紹介する際には、必ずと言っていいほど〈フリート・フォクシーズの元ドラマー〉という前置きがつきまとっていましたが、本作でそれも完全に払拭したといえます。エルトン・ジョンやルーファス・ウェインライトなどを思わせる叙情的な魅力にあふれています」
『Americana』レイ・デイヴィス - Ray Davies〔2017〕
P「イギリスが誇るレジェンドバンド、キンクスのヴォーカル&ギタリストの4thソロ・アルバム」
W「この方も枯れないどころかますます、魅力に磨きがかかっていきますね。アメリカへの憧憬を描いたトータルアルバムとなっていて、味わい深い作品」
『➗』エド・シーラン - Ed Sheeran〔2017〕
P「デビュー当時はジェイソン・ムラーズへのイギリスからの回答などと呼ばれるほど、作風が似ていましたが、その頃からより進化した3rdアルバム」
W「音楽サイトで“最も再生されたアルバム”など、合計3つのギネス世界記録を獲得したモンスターアルバムで、アップテンポの曲からバラードまですべて最高な傑作」
『The Search for Everything』ジョン・メイヤー - John Mayer〔2017〕
P「米Rolling Stone誌でジョン・フルシアンテ、デレク・トラックスと共に「現代の三代ギタリスト」に選定されている彼の7thアルバム」
W「ソウルフルな曲からブルージーな曲、バラード調までアルバムの流れもよく、落ち着きのあるバンドサウンドで捨て曲が本当に一曲もありません」
『Turn Out The Lights』ジュリアン・ベイカー - Julien Baker〔2017〕
P「アメリカのインディ・シーンにおいて大注目の若きシンガー・ソングライター、ジュリアン・ベイカーの傑作2ndアルバム」
W「ギターとキーボードをベースにシンプルなスタイルの演奏ながら、どの曲も荘厳なイメージで、抑えきれない感情を爆発させるかのように歌うそのスタイルは本当に感動的。ドラッグの依存や交通事故の瀕死体験など数々の苦悩や葛藤をかかえていたようですが、それが作品にいい形で反映されています」
『Stranger In The Alps』フィービー・ブリジャーズ - Phoebe Bridgers〔2017〕
ライアン・アダムスの目にとまった実力派の傑作デビューアルバム!
P「ジュリアン・ベイカーとルーシー・ダカスとともに「ボーイジーニアス」というユニットも組んでいるLA出身の女性シンガーソングライターの傑作1stアルバム」
W「ライアン・アダムスに認められてデビューした彼女の実力は本物。楽曲の良さが際立っていて、ゲストボーカルにブライト・アイズのコナー・オバーストも参加しているけど、その相性も抜群」
『Tara Jane O'Neil』タラ・ジェイン・オニール - Tara Jane O'Neil〔2017〕
P「アメリカ・シカゴ出身の女性シンガー・ソングライターの9thアルバム」
W「ほぼ全編にわたってアコースティックなアンサンブルで、荘厳な世界観の中でも歌声がみずみずしく、心に残る傑作です」
『Drunk』サンダーキャット - Thundercat〔2017〕
P「フライング・ロータスやケンドリック・ラマー界隈で一躍注目を浴びたアメリカのベーシスト&ヴォーカルの傑作3rdアルバム」
W「豪華なゲスト陣を迎えて制作された本作は、まさにポップ・ファンクの万華鏡ともいえる感じ。ソウルやフュージョン、ファンク、さらにはAORといった80年代サウンドを彷彿とさせます」
『A Song for Every Moon』ブルーノ・メジャー - Bruno Major〔2017〕
P「ロンドンで活躍するシンガー・ソングライター、ブルーノ・メジャーの1stアルバム」
W「2016年から1年間、毎月1曲をダウンロード/ストリーミングで配信していくというプロジェクトが好評となり、それをアルバム化したもの。憂いのある歌声はジェイムズ・ブレイクやサム・スミスあたりを彷彿とさせますが、アナログな楽曲もあれば、エフェクトをほどこしたような楽曲もあり、多彩なサウンドでものすごいセンスを感じます」
『Cigarettes After Sex』シガレッツ・アフター・セックス - Cigarettes After Sex〔2017〕
P「バンド名がなんとも刺激的ですが、2008年にヴォーカルのグレッグ・ゴンザレスを中心にアメリカテキサスで結成されたバンドの1stアルバムです」
W「知らずに聴くと男女どちらか一瞬迷う中性的な歌声と、ほぼ全編スローからミディアムテンポの楽曲で、けだるさが心地よく、ついついリピートしてしまいます」
『Apricot Princess』レックス・オレンジ・カウンティ - Rex Orange County〔2017〕
P「まだ若いイギリス出身のアレックス・オコナーによるソロプロジェクト、レックス・オレンジ・カウンティによる1stアルバム」
W「ロックとジャズをまたぐこの感じ、ソンドレ・ラルケやルーファス・ウェインライト、よく引き合いに出されているジェイミー・カラム、さらにはスティービーワンダーまで、幅広いイメージを感じますが、とにかくアレンジ含め楽曲が最高」
『Gilded』ジェイド・ジャクソン - Jade Jackson〔2017〕
P「カリフォルニア、サンタ・マルガリータ出身のカントリー・アーティスト、ジェイド・ジャクソンのデビューアルバム」
W「正直、知名度はそれほど高くないと思われますが、アメリカン・ミュージックの伝統が息づくサウンドで、派手さはありませんが、それが逆にエモーショナルで心を揺さぶります」
2016年
『Do Hollywood』ザ・レモン・ツイッグス- The Lemon Twigs〔2016〕
P「アメリカ、ニューヨーク州ロングアイランド出身の若き兄弟バンド、ザ・レモン・ツイッグスの1stアルバム」
W「デビュー時は兄のブライアン・ダダリオが19歳、弟のマイケル・ダダリオがなんと17歳という驚きの年齢ながら、サウンドはこれまた驚きのバロック・ロックなるオールド・ロックに独自の解釈を加えたような、なんとも斬新なポップワールド全開なサウンド。ビートルズはもちろん、ザ・フー、クイーン、デヴィッド・ボウイなど、一聴しただけでにやりとさせられるテイストが満載」
『★』デヴィッド・ボウイ - David Bowie〔2016〕
P「言わずと知れたイギリスが生んだロック・ヒーローの亡くなる2日前にリリースされた傑作アルバムです」
W「ジャズの要素を取り入れた世界観で、最期まで革新的であり続けたことにただただ脱帽です」
『Revolution Radio』グリーン・デイ - Green Day 〔2016〕
P「説明不要ですが、アメリカのパンクロックバンドの12枚目のアルバム」
W「正直、『American Idiot』や『21st Century Breakdown』のような傑作はもうないだろうなと思っていましたが、まだこんなすごいアルバムを作るのかとびっくりした傑作」
『The Getway』レッド・ホット・チリ・ペッパーズ - Red Hot Chili Peppers〔2016〕
P「ジョン・フルシャンテ脱退期でギターをジョシュ・クリングホッファーが務めていた11枚目の傑作アルバム」
W「以前ほどの派手さはありませんが、ギターが控えめな分、シンプルでタイトな感じが逆に曲の魅力を引き出していて、時間がたっても飽きのこない作品となっています」
『Wildflower』アヴァランチーズ - The Avalanches〔2016〕
P「世界が酔いしれたサンプリングを駆使して制作されたアヴァランチーズの傑作『Since I Left You』から、実に16年ぶりにリリースされた2ndアルバム」
W「ヒップホップ的な要素はもちろんのこと、よりソフト・ロック、サイケデリック調な曲が増し、ポップでリラックスできる曲の割合が高くなった印象。1stの頃に比べて、サンプリングの権利関係が難しくなったということと、前作メンバーの不在による影響がそのサウンドに変化をもたらしているようです」
『Hopelessness』アノー二 - Anohni〔2016〕
P「元アントニー&ザ・ジョンソンズ、トランスジェンダーとしても知られていて、名前も変え、女性としてスタートを切った1stアルバム」
W「バンドでは牧歌的でシンフォニックだったのに対し、ソロではエレクトロニックな変化を見せていて、アンビエントやドローン、ヒップホップも駆使した作品となっています」
『22, A Million』ボン・イヴェール - Bon Iver〔2016〕
P「ジャスティン・ヴァーノンひきいる、インディー・フォーク・バンド」
W「初期の頃から好きなアーティストではあるけど、どうも全編にわたり暗いのがなあ、という感じだったのが、このアルバムで表現の幅が格段にひろがり、またポップな一面もみせるなど個人的にはイメージが一変した傑作アルバム」
『Party』アンディ・シャウフ - Andy Shauf〔2016〕
P「ウィルコのジェフ・トゥイーディーも絶賛したカナダのシンガー・ソングライターの傑作アルバム」
W「“エリオット・スミス”の再来とも評され、無駄のない音数に抑えて、随所にシンセやストリングスで彩りをそえ、メランコリックでポップなサウンドを展開しています」
『Weezer (White Album)』ウィーザー - Weezer〔2016〕
P「多少停滞したり、マンネリと感じるアルバムもありましたが、1スタイルで変わらない魅力を保ち続けて各年代で素晴らしいアルバムを残しているウィーザー」
W「セルフタイトルでホワイトアルバムと呼ばれる10枚目は、2017年度グラミー賞ベスト・ロック・アルバム部門でもノミネートされ、爆発的なエモさは控えめにはなっていますが、初期を彷彿とさせる楽曲がチラホラあり、バラードでもない曲でもなんだか泣けてきます。特に1曲目の「California Kids」はウィーザー節全開」
『This Is Acting』シーア - Sia〔2016〕
P「ソングライターとしても数々の売れっ子アーティストに楽曲を提供していた彼女が本領を発揮した6thアルバム」
W「パワフルな歌声と圧倒的なポップワールド、まさに才能が爆発した傑作」
『Teens Of Denial』カー・シート・ヘッドレスト - Car Seat Headrest〔2016〕
P「USインディ・シーン期待の新星、ウィル・トレドを中心とするシアトルのバンド、カー・シート・ヘッドレストの2ndアルバム」
W「まさに90年代、2000年代の名うてのバンドの影響をこれでもかと吸収し、独自のサウンドにまとめあげているといった感じで、ウィーザーやストロークス、フランツ・フェルディナンド、ウィルコや、ペイヴメントなどガレージパンクからロー・ファイなものまで、いろいろなテイストを感じさせてくれます」
『Hope』ザ・ストランベラズ - The Strumbellas〔2016〕
ウィルコやポリフォニック・スプリーあたりが好きな人には激オススメ!
P「2008年に、カナダのトロント・オンタリオで結成されたインディー・フォーク・ロックバンド」
W「カナダのグラミー賞とも言われるジュノ・アワードも受賞している実力派で、1曲目の“Spirit”だけでもまずは聴いてほしい。まさに名曲」