1990年代
Southern All Stars / サザンオールスターズ〔1990〕
W「サザンに関してはファンの数だけどれを名盤と選ぶか異なるとは思いますが、選んだのは活動休止、桑田のソロをはさんで制作された9作目です」
P「サザン単独のセルフプロデュースで、冒頭からグルーヴィな“フリフリ'65”でとばし、R&BからAOR、スパニッシュや沖縄テイスト、さらにはビーチ・ボーイズ風まで幅広い洋楽の要素を取り入れ、小林武史らのゲスト参加で、より洗練されたサウンドを堪能できる作品です」
LOVE IS HERE / KATZE〔1990〕
W「いわゆるバンドブーム期にデビューしたBOØWYの流れに位置するビートロックバンド、KATZEによるラストアルバムにして最高傑作」
P「名曲バラード“SILENT”やロックアンセムともいえる“AGAIN”など埋もれさせておくにはもったいない名盤」
DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔- / FLIPPER'S GUITAR〔1991〕
W「使い古された言葉ではありますが、まさに〈渋谷系〉の象徴ともいえる小山田圭吾さんと小沢健二さんという二人の天才によるバンドの3枚目にしてラストアルバム」
P「同時代のマイブラッディ・バレンタイン、プライマル・スクリーム、ストーン・ローゼスなどのUKロックのサウンドを意識して取り入れ、さらにはほぼ全曲にサンプリングを駆使した作品。1曲目にはビーチ・ボーイズの“God Only Knows”とバッファロー・スプリングフィールドの“Broken Arrow”を用いているのはあまりにも有名」
Humanity / SING LIKE TALKING〔1992〕
W「ヴォーカル・佐藤竹善さん率いる3人組バンドによる5thアルバム」
P「TOTOあたりを思わせるAORやシティポップなどに分類されるアダルトな魅力がつまったサウンドと伸びやかな歌声で、魅了される楽曲が満載。名曲“with you”は必聴」
LIFE / 小沢 健二〔1994〕
W「元FLIPPER'S GUITARのもう一人、小沢健二さんによるJ-POP史を語るうえで外せない一枚」
P「ほぼ恋愛をテーマにした曲で、スチャダラパーをフーチャーした“今夜はブギー・バック”をはじめ“ラブリー”など名曲揃い」
KING OF ROCK / 真心ブラザーズ〔1995〕
W「YO-KINGこと倉持陽一さんと桜井秀俊さん二人によるロックバンドの5thアルバム」
P「1曲目の“スピード”から狂気あふれるテンションで、その後もエネルッギッシュに駆け抜けるロック魂全開の傑作」
kocorono / bloodthirsty butchers〔1996〕
W「FugaziやダイナソーJr.とも肩を並べる日本が誇るポスト・ハードコアバンドの傑作4thアルバム」
P「ノイジーなギターと日本語の歌詞という骨太な楽曲に、独特の空気感をまとった緊張感のある傑作」
ココロに花を / エレファントカシマシ〔1996〕
W「宮本浩二さん率いるエレファントカシマシの8thアルバム」
P「代表曲“悲しみの果て”を含め、しみじみと沁みる渋い名曲揃いの一枚」
空中キャンプ / フィッシュマンズ〔1996〕
W「2010年代のインディーバンドのほとんどがこのバンドの影響を受けているといっても過言ではない、日本を代表する最重要バンドのひとつ」
P「レゲエやダブ、エレクトロニカを基調とした独特の浮遊感のあるサウンドと世界観が痺れる、世田谷三部作中の一枚」
スーパー アー / BOREDOMS - ボアダムス〔1996〕
W「世界を舞台に活躍するオルタナティブ・ロックバンドの傑作アルバム」
P「エレクトリックなサウンドと原始的なリズムで、完全にトランス状態へ導いてくれるものすごい作品」
深海 / Mr.Children〔1996〕
W「Mr.Childrenの数ある名盤の中でも1、2を争うのがこの一枚」
P「プログレ的でな一面も見せ、コンセプトアルバム的に全体を構成しつつシングル曲もしっかり共存させて世界観をつくっているものすごいアルバム」
JUNK LAND / 玉置 浩二〔1997〕
W「玉置さんソロ6thアルバムにして私的最高傑作がこれ」
P「もうすごいの一言に尽きる。“JUNK LAND”のようなテンションがあがるような曲から、胸をかきむしられるような“メロディー”や代表曲“田園”まで、とにかくバラエティに富んだ傑作」
サニーデイ・サービス / Sunny Day Service〔1997〕
W「バンド名を冠した、まさに最高到達点ともいえる4枚目のアルバム」
P「ほぼ交互にアコースティックな曲とギターポップ感あふれる曲の流れで、捨て曲がまったくないサニーデイの魅力を堪能できるものすごくバランスのとれた名盤」
FANTASMA / Cornelius〔1997〕
W「元FLIPPER'S GUITARの小山田圭吾によるソロユニットの傑作3rdアルバム」
P「ブレイクビーツやサンプリングを駆使して、ハードコアからクラシックまですべてを飲み込んだ大名盤」
SICKS / THE YELLOW MONKEY〔1997〕
W「イエモンのターニングポイントとなったともいえる6枚目のアルバム」
P「イギリスでもリリースされた海外も視野にいれた作品で、吉井が単独プロデュースし、大衆向けではないロックを志向した傑作」
ジレンマ / 斉藤 和義〔1997〕
W「斉藤和義さんの初期の代表作にして傑作5thアルバム」
P「メジャー感と独特のセンスが見事に発揮された傑作中の傑作。“進め なまけもの”から“ドライブ”、“幸福な朝食 退屈な夕食”の流れは完璧」
HOME / 山崎 まさよし〔1997〕
W「山崎まさよしさんといえば、バラードなイメージが強いですが、アルバムでは激しめのブルースロックやザ・フーばりのポップな曲などもあり、かなりかっこいいです」
P「そして、そのイメージの強いバラードは天下一品で、バラエティあふれる傑作」
金字塔 / 中村 一義〔1997〕
P「22歳の若さにして、セルフプロデュースによって制作された本デビューアルバムは渋谷陽一に10年に一人の天才と言わしめました」
W「独特のハイトーンヴォイスと詩の世界、ビートルズフレイヴァーあふれるポップサウンドで、それまでのすべてを出し尽くして制作したという集大成ともいえる傑作」
LITTLE BUSTERS / the pillows〔1998〕
W「まさにキャッチーでパワフルという言葉がぴったりはまるバンドがピロウズです」
P「そして彼らの6thアルバムにして最高傑作といえるのがこのアルバム。とにかく胸キュンなパワーポップな名曲が満載」
ギヤ・ブルーズ / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT〔1998〕
W「後に数多くのフォロワーを作ったチバユウスケさん率いるガレージロックバンドの4thアルバム」
P「パンクやパブロック、ガレージロック、ブルースロック、ロカビリーなど様々な要素が内包されているけど、ぶれない硬派なスタイルは一貫している。このアルバムは“スモーキン・ビリー”や“G.W.D”等を収録した緊張感がほとばしる傑作」
Ja,Zoo / hide〔1998〕
W「元X Japanのギタリストでヴォーカルとしての才能も知らしめたソロ3作目」
P「制作途中で亡くなったため、盟友I.N.Aの手によって仕上げられた涙なくして聴けない感動作。ちなみにそのアルバム作成の様子もうかがえるドキュメンタリー『JUNK STORY』も必見」
MAKING THE ROAD / Hi-STANDARD〔1999〕
W「日本で最高峰のバンドのひとつで、のちのパンク系のバンドに多大な影響を与えていいるメロディック・ハードコアの走りのバンド」
P「前半はラウドでスピーディな怒涛の展開で、後半にはボサノヴァやハワイアンテイストの曲もあったりと懐の深さを見せつける燦然と輝く名盤」
トロフィー / ウルフルズ〔1999〕
W「ウルフルズはソウルをベースにしつつ、色々なテイストの楽曲をすべてウルフルズテイストに染めてしまいます」
P「このアルバムはパワフルな曲も繊細なバラードもコミカルな曲もすべてごった煮で絶妙なバランスが最高。特に名曲“夢”や“心”は震えます」
Lifetime / GRAPEVINE〔1999〕
W「けだるさと甘さの独特なヴィーカルスタイルとハードな演奏スタイルが魅力です」
P「ブレイクのきっかけとなったシングル“スロウ”と“光について”を含む初期の名盤」
First Love / 宇多田 ヒカル〔1999〕
W「もはや説明不要だとは思いますが、宇多田さんの登場は本当に衝撃的」
P「15歳で、この歌唱力って何?みたいな。しかも全曲作詞作曲というとんでもない才能。まさに天才がなせる一枚」
無罪モラトリアム / 椎名 林檎〔1999〕
W「椎名林檎さんの原点にして、最高傑作のデビューアルバム」
P「椎名さんの存在が際立っているのはもちろんのこと、バックをつとめるメンバーの個性あふれる演奏力がものすごいですね」