2005年
マッチポイント
ウッディ・アレンによる美男美女4角関係のもつれを描いたミステリー
プロテニス選手のクリスは自分のキャリアに限界を感じ、テニスクラブで教えるようになります。
そこで知り合った上流階級のトムと親しくなったことがきっかけで、彼の妹クロエと付き合い始めます。
ただ、トムの魅惑的な婚約者ノラに惹かれるも、上流階級への道を選びクロエと結婚します。
ただ、ノラを忘れられずにいたある日、再会し関係を深めていき、欲望と野望の間で画策していきます。
ウッディ・アレンが脚本も手がけたミステリー作品で、美男美女の主演4人が光っていて、特にスカーレット・ヨハンソン演じるノラに男は狂わされるであろう魅力に説得力があります。
監督 | ウディ・アレン | |
製作国 | イギリス / アメリカ | |
製作年 | 2005年 | |
日本公開 | 2006年 | |
出演者 | ジョナサン・リース=マイヤーズ / スカーレット・ヨハンソン / マシュー・グッド / エミリー・モーティマー 他 |
2006年
プラダを着た悪魔
ファッションに無縁なジャーナリスト志望のアンドレアは、ひょんなことからファッション雑誌『ランウェイ』編集部のアシスタントとして働くことになります。
ファッション業界に絶大な影響力を持つ編集長のミランダ・プリーストーリーは、横暴で要求が高く、まさに悪魔のような存在。
そんな彼女のもとで耐えながら、アンドレアはファッションと仕事の面白さに目覚めていきます。
アン・ハサウェイのコメディセンスが開花した出世作でもあり、ファッション七変化も含めて彼女の魅力が全開に発揮された当たり役です。
著者のローレン・ワイズバーガーが『ヴォーグ』で編集長アシスタントをしていたという実体験を踏まえた作品で、パワハラ当たり前のような業界事情が垣間見える作品です。
監督 | デヴィッド・フランケル | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2006年 | |
日本公開 | 2006年 | |
出演者 | メリル・ストリープ / アン・ハサウェイ / スタンリー・トゥッチ / サイモン・ベイカー / エミリー・ブラント / エイドリアン・グレニアー 他 |
ドリームガールズ
ダイアナ・ロスを中心とした黒人女性グループ、シュープリームスをモデルに描いたミュージカル作品です。
ダイアナ・ロス的人物を演じたのはビヨンセです。
メイン・ヴォーカルとしての実力よりもルックスでメンバーのメインとなっていく様子は日本のグループでもよく見られる光景で、切なくなります。
劇中、歌唱力では私の方が上と豪語するジェニファー・ハドソンの歌声は鳥肌もの。モータウン・ミュージックの魅力を堪能できる傑作映画です。
監督 | ビル・コンドン | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2006年 | |
日本公開 | 2007年 | |
出演者 | ジェイミー・フォックス / ビヨンセ・ノウルズ / エディ・マーフィ / ダニー・グローヴァー / ジェニファー・ハドソン 他 |
ホリデイ
豪華キャストによる二組のカップルが織りなすロマンティック・コメディ
ロンドンの新聞社に勤めるアイリスは二股をかけられ、クリスマスパーティで破局します。
一方ロサンゼルスで映画の予告編の制作会社を経営するアマンダも彼氏の浮気で、別れることに。
そんな二人は、休暇中にお互いの家を交換する「ホーム・エクスチェンジ」というサイトを利用し、2週間家や車を交換することになります。
それぞれ、別の環境で過ごす中、アマンダはアイリスの兄と、アイリスはアマンダの元カレの親友と出会い、意気投合していきます。
どん底からの出会いはロマンティックで、期待を裏切らない想像通りの展開でラブコメ好きには文句なしにおすすめ。
監督 | ナンシー・マイヤーズ | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2006年 | |
日本公開 | 2007年 | |
出演者 | キャメロン・ディアス / ケイト・ウィンスレット / ジュード・ロウ / ジャック・ブラック 他 |
明日、君がいない
悩みや悲しみの程度は人によって計り知れないことを痛感させられる衝撃の物語
冒頭、放課後の2時37分に校内で誰かの身に何かがあったことが匂わされます。
そして、その日の朝からの1日を男女6人の高校生の視点で群像劇的にドキュメンタリータッチで描かれていきます。
それぞれに悩みを抱えていて、今にも押しつぶされそうになっていくなか、果たして誰の身に何があったのかというサスペンスドラマです。
その誰かというのが、誰でもおかしくないほどつらく、悩みの程度は個人差で計り知れませんが、ラストはえっ、その子が、と衝撃を受け、胸にずしりと重く残る作品です。
ガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』の手法を用いた作品で、この映画を監督のムラーリ・K・タルリが撮ったのが若干19歳ということも驚かされます。
監督 | ムラーリ・K・タルリ | |
製作国 | オーストラリア | |
製作年 | 2006年 | |
日本公開 | 2007年 | |
出演者 | テリーサ・パーマー / フランク・スウィート / サム・ハリス / クレメンティーヌ・メラー 他 |
ディパーテッド
マフイアに潜入した警察の男と警察に潜入したマフィアの内通者を描いたサスペンス作品
香港映画『インファナル・アフェア』をマーティン・スコセッシ監督によってリメイクされ、アカデミー賞作品賞を受賞した作品です。
犯罪組織を撲滅すべく警察はマフィアの組織に新人警官ビリーを潜入捜査させます。
一方、マフィアのボス、コステロは幼い頃から手なづけていたコリン・サリバンをスパイとして警官に送り込んでいました。
お互いが素性を隠して潜入生活を続けるというスリリングなクライム・サスペンスです。
本家の『インファナル・アフェア』とは結末が異なりますので、そちらもおすすめです。
監督 | マーティン・スコセッシ | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2006年 | |
日本公開 | 2007年 | |
出演者 | レオナルド・ディカプリオ/ マット・デイモン / ジャック・ニコルソン / マーク・ウォールバーグ / ヴェラ・ファーミガ 他 |
ブラッド・ダイヤモンド
舞台は1999年の西アフリカ・シエラレオネで、ダイアモンドの産地であることから採掘をめぐって反政府武装勢力(RUF)と政府による内乱が起こっています。
漁師のソロモンは家族を逃すことができたものの自身は、RUFに捕まって強制労働させられます。
ソロモンは大粒のピンクダイヤモンドを発見し、それを隠しました。
そのピンクダイヤモンドをめぐって、密輸しようとする白人アーチャーと密輸の実態を暴こうとするジャーナリストのマディーが奮闘するサスペンスです。
西洋の欲望のために、ダイヤモンドと無縁のアフリカ市民が虐殺されるという悲惨な現実がスリリングに描かれていて、家族の悲哀と合わせて胸に迫る傑作サスペンスです。
監督 | エドワード・ズウィック | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2006年 | |
日本公開 | 2007年 | |
出演者 | レオナルド・ディカプリオ / ジェニファー・コネリー / ジャイモン・フンスー 他 |
2007年
ONCE ダブリンの街角で
音楽映画を作らせたら天才的なアイルランドのジョン・カーニー監督の出世作。
ストリート・ミュージシャンをやっていた主人公が彼女と街中で出会い、心を通わせつつ、ピアノを弾く彼女とともにデビューするためにレコーディングするストーリーです。
実際の演奏シーンがてんこ盛りなんだけど、とにかく楽曲と歌声が最高。
監督も在籍するロックバンド、フレイムスのヴォーカリスト・グレン・ハンザードとチェコのミュージシャン、マルケタ・イルグロヴァは、実際でも一緒にザ・スウェル・シーズンというユニットを結成しています。
監督 | ジョン・カーニー | |
製作国 | アイルランド | |
製作年 | 2007年 | |
日本公開 | 2007年 | |
出演者 | グレン・ハンサード / マルケタ・イルグロヴァ 他 |
ラブソングができるまで
ヒュー・グラントとドリュー・バリモア主演のラブコメの王道のような作品です。
落ち目となっていた元ポップスター・アレックスの元に人気歌手から楽曲提供の依頼が舞い込むものの作りあぐねていたところ、彼の家に水やりにきていた作家志望のソフィーに歌詞を依頼して共作するというストーリー。
二人で作るラブソングが秀逸。
監督・脚本はラブコメの名手で『トゥー・ウィーク・ノーティス』のマーク・ローレンスです。
監督 | マーク・ローレンス | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2007年 | |
日本公開 | 2007年 | |
出演者 | ヒュー・グラント / ドリュー・バリモア / ヘイリー・ベネット / ブラッド・ギャレット 他 |
P.S. アイラヴユー
喧嘩するほど仲がいいといいますが、不満ばかり言い合っていたかと思えば実はラブラブな二人に突然訪れる悲劇。
序盤で驚きの展開を見せるこの映画ですが、唐突に旦那が亡くなってしまいます。
そんな悲しみにくれる妻のもとに生前旦那はラブレターを残していて、消印のないまま彼女のもとに届きます。
季節ごとに届くそのラブレターの内容とはいったいどんなものなのか。
最愛の人を亡くす悲しみからコメディテイストを交えながら立ち直っていく様子を描いていきます。
監督 | リチャード・ラグラヴェネーズ | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2007年 | |
日本公開 | 2008年 | |
出演者 | ヒラリー・スワンク / ジェラルド・バトラー / キャシー・ベイツ / ハリー・コニック・ジュニア 他 |
永遠のこどもたち
鬼才ギレルモ・デル・トロが製作総指揮を務めるサスペンスホラー
海辺の孤児院で育ったラウラは夫と息子シモンとともに、閉鎖された孤児院を開園するために買い取り移り住みます。
開園の準備を進めているなか、シモンが空想上の友達と遊んでいる様子にラウラは不安を感じるようになります。
そして、数日後、開園パーティーでシモンが姿を消してしまうという、サスペンスホラー作品です。
全編にわたり、ドキッとするホラー要素が満載で、すべての謎が見終わると破綻することなく結びついていて見事なストーリーとなっています。
スペインの映画賞であるゴヤ賞で、作品賞を含む14部門にノミネートされ、脚本賞や新人監督賞など7部門を受賞しています。
監督 | J・A・バヨナ | |
製作国 | スペイン / メキシコ | |
製作年 | 2007年 | |
日本公開 | 2008年 | |
出演者 | ベレン・ルエダ / フェルナンド・カヨ / ロジェール・プリンセプ / モンセラート・カルーヤ 他 |
2008年
グラン・トリノ
頑固で家族との仲もうまくいっていない元軍人のコワルスキー。
妻の死で孤独な生活を送る中、隣にモン族の家族が引っ越してきて、ギャングにそそのかされたその家の少年タオはコワルスキーの車庫に忍び込み、フォードの車種、グラン・トリノを盗もうとしますが、見つかってしまいます。
その後お詫びのためコワルスキーの手伝いをすることにから彼の姉とともに次第に交流するようになっていき、タオを面倒を見るようになっていきますが、ある事件が起こってしまいます。
クリント・イーストウッドが主演と監督を務めた作品で、人間味あふれる役柄を見事にこなしています。
切なさとじんわりとした感動に包まれるラストは見応え十分です。
監督 | クリント・イーストウッド | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2008年 | |
日本公開 | 2009年 | |
出演者 | クリント・イーストウッド / ローラ・ダーン 他 |
レスラー
80年代に人気を博したランディは20年たち、バイト生活と掛け持ちで家賃をやっと払いながら満身創痍でインディでレスラーを続けています。
ある日往年の名勝負と言われたジ・アヤトラー戦との20周年記念を前にして、長年のステロイド剤の使用が祟り、心臓発作を起こして倒れてしまいます。
それを機に、疎遠だった娘やバーで出会った女性ステファニーとの関係を築いて人生を見つめ直していきます。
ミッキー・ロークの激変ぶりも話題となりましたが、まさに命懸けの戦いに観るものの心を震わせるものがあります。
プロレスという題材に惑わされず、ヒューマンドラマとして観てほしい傑作です。
監督 | ダーレン・アロノフスキー | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2008年 | |
日本公開 | 2009年 | |
出演者 | ミッキー・ローク / マリサ・トメイ / エヴァン・レイチェル・ウッド 他 |
2009年
エスター
かつて3人目の子供を流産した経験を持つケイトは、家族と幸せに暮らしながらも心療内科に通い、心の傷をかかえていました。
そんな状況を改善するべく夫ジョンとともに孤児院から少女を養子として引き取ることに決めます。
養女のエスターは、しっかり者で落ち着いていますが、どこか様子がおかしく、だんだん不気味で攻撃的な一面を見せ始めるようになっていきます。
正直、かなり胸糞悪い作品で不快指数がマックスになるかと思います。
正体がわかった時の衝撃もかなりのもので、単純なホラーで括れない怖さがあります。
監督 | ジャウム・コレット=セラ | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2009年 | |
日本公開 | 2009年 | |
出演者 | ヴェラ・ファーミガ / ピーター・サースガード / イザベル・ファーマン 他 |
第9地区
エイリアンとゾンビ映画を融合されたようなドキュメンタリータッチの怪作
1982年に南アフリカのヨハネスブルクに突如現れた宇宙船はそのまま28年間止まり続けます。
エビの姿をした多くの難民エイリアンは第9地区と呼ばれるスラム街に、超国家機関MNUの管理のもと隔離されて生活しています。
エイリアンの増加にともない、第10地区に移住させるべくMNUは職員のヴィカスを派遣しますが、彼は謎の液体を不注意で浴びてしまい身体に異変をもたらし、やがて人類にとってのアウトサイダーとなってしまいます。
ドキュメンタリータッチで描かれる作風で、エイリアンの様子はまさに難民そのもの。そして突然変異を起こす様子はゾンビ映画さながらで、新しいタイプのエイリアン映画を確立した画期的な作品です。
監督 | ニール・ブロムカンプ | |
製作国 | アメリカ / 南アフリカ共和国 / ニュージーランド | |
製作年 | 2009年 | |
日本公開 | 2010年 | |
出演者 | シャールト・コプリー / デヴィッド・ジェームズ / ジェイソン・コープ / ヴァネッサ・ハイウッド 他 |
(500)日のサマー
グリーティングカード会社で働くトムは地味で冴えない毎日を送っていましたが、ある日秘書として職場に入社してきたサマーに一目惚れ。
サマーもトムに好意をよせ、二人は関係を持つものの、サマーは付き合おうとはせず、あくまで友達関係にこだわります。
初めは余裕をかましていたトムですが、だんだんその関係に不満がつのっていくという、出会ってからの500日を描いた作品です。
関係性としてはほぼ付き合っている状態なのに、それを許さないサマーという女の子の不思議さも気になりますが、ラブじゃないストーリーとして抜群の面白さ。
ミュージックビデオを手がけていたマーク・ウェブ監督らしく、音楽のセンスや随所に面白い映像のギミックが盛り込まれています。
監督 | マーク・ウェブ | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2009年 | |
日本公開 | 2010年 | |
出演者 | ジョセフ・ゴードン=レヴィット / ズーイー・デシャネル / クラーク・グレッグ / ミンカ・ケリー 他 |
そんな彼なら捨てちゃえば?
彼氏彼女が欲しい人、結婚しているけど恋してしまった人、愛し合っているけど結婚しないカップルなど、さまざまなシチュエーションの男女の本音と恋愛の対策がコミカルに描かれています。
なんと言ってもキャストが豪華で、主役級の俳優陣が軒並み顔をそろえたラブコメ群像劇です。
邦題がB級感が漂っていて、個人的には食わず嫌いでしたが、ラブコメとして1級品の傑作です。
監督 | ケン・クワピス | |
製作国 | アメリカ | |
製作年 | 2009年 | |
日本公開 | 2009年 | |
出演者 | ベン・アフレック /ジェニファー・アニストン / ジニファー・グッドウィン / スカーレット・ヨハンソン / ドリュー・バリモア 他 |
インビクタス/負けざる者たち
ラグビーを象徴としてネルソン・マンデラ大統領の功績を描いた傑作
アパルトヘイトによって反体制活動家として27年もの投獄の後、黒人初の南アフリカ共和国大統領となったネルソン・マンデラ。
そのアパルトヘイトの象徴ともいえるラグビーにおいて、白人の観客は自国チームを、黒人は敵チームを応援するような状態でした。
マンデラは迫害されてきた白人を赦し、人種差別や経済格差をなくそうと融和を目指します。
自国開催されるラグビーワールドカップを通して、人々を団結させ、チームの快進撃を呼び起こします。
マンデラ大統領の自伝をモーガン・フリーマンがが映画化権を買い、クリント・イーストウッド監督とタッグを組んだ傑作で、スポーツ映画としても南アフリカという国の歴史を考えるうえでも素晴らしい傑作です。
監督 | クリント・イーストウッド | |
製作国 | アメリカ / 南アフリカ共和国 | |
製作年 | 2009年 | |
日本公開 | 2010年 | |
出演者 | モーガン・フリーマン / マット・デイモン 他 |
まとめ
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