1990年代
5. 誕生〔1990〕
CBSソニーに復帰し、セルフプロデュースによる2枚組の作品
本作からまた古巣のCBSソニーに戻り、尾崎本人のプロデュースによって制作された2枚組全20曲という大作です。
レコーディングには安全地帯のギタリスト、竹沢豊さんをはじめ、国内外の著名なミュージシャンが参加しているおかげか、サウンドの幅が広がり、“LOVE WAY”や“銃声の証明”のようなハードなロックや“黄昏ゆく街で”や“虹”のようなAOR風、“LONELY ROSE”のようなシティ・ポップ風などバラエティにとんでいます。
また、1998年に結婚し、1989年には第一子が誕生していますが、これが本作にいい影響を与えていることは間違いないと思います。
新たな価値観を見出し、生きる意味を肯定的に捉えるような歌詞などに見ることができ、それらが、“COOKIE”、“きっと忘れない”、“MARRIAGE”、“誕生”など多くの楽曲に目立ちます。
それにしても生き方すべてを音楽に消化しているんだということをこのアルバムを聴くと強く実感させられます。
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6. 放熱への証〔1992〕
遺作となってしまったラストアルバム
このアルバムが発売されたのが1992年5月ですが、リリース直前の1992年4月25日に尾崎さんは26歳の若さで急死しています。
死因は肺水腫ということですが、大量の覚醒剤服用によって引き起こされたものであるとされています。
前作に続いてプロデュースは尾崎さん本人よって制作されていますが、「生きること。それは日々を告白してゆくことだろう」というテーマで作られた本作品は、それぞれタイプの違う楽曲が全て組み合わさって一つのメッセージを発しているということです。
孤独や自由への欲求、贖罪などが強く感じられて、終盤の“闇の告白”や前年に亡くなった母へ向けた“Mama, say good-bye”を聴くと結果的にこれがラストアルバムになってしまう予感のようなものが感じられて悲しくなります。
そんな中でも“汚れた絆”や、“優しい陽射し”、“ふたつの心”は特に好きな曲でおすすめです。
それにしても、このアルバムを聴くたびに早すぎる死が残念でなりません。
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まとめ
私のおすすめの聴く順番ですが、これはやっぱりリリース順に聴いていくことが正しいような気がします。
精神状態や私生活がそのまま曲に反映されているので、尾崎さんに想いを馳せながら聴くことをおすすめします
そんな名曲の数々をぜひ堪能してください
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