2011年
『James Blake』ジェイムス・ブレイク - James Blake〔2011〕
P「2010年代のエポック・メイキングな作品といえば、イギリス・ロンドン(インフィールド・ロンドン特別区)出身のシンガー・ソングライター、ジェイムス・ブレイクのデビュー・アルバムです」
W「ジャズ・ヴォーカルに軸を置くかのような哀愁感漂うエフェクトされた歌声に、ループやコーラスを多重に重ねて、幻想的にアンヴィエントな感じでつむがれていく楽曲の数々は、最初こそ、どれも同じように聴こえていましたが回数を重ねるごとに曲の緻密さに驚かされます」
『Noel Gallagher's High Flying Birds』ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ - Noel Gallagher's High Flying Birds〔2011〕
オアシスのいない2010年代はやはり寂しいけど、このアルバムは最高!
P「元オアシスのノエル・ギャラガーのソロ・プロジェクトによる1stアルバム」
W「オアシス時代を感じさせる部分ももちろんありますが、ダンスビートを取り入れるなど、新たな面を見せていて、多彩なセンスが感じられます。オアシスのいない寂しさを紛らわせるには十分なほど素晴らしい傑作」
『The Whole Love』ウィルコ -Wilco〔2011〕
P「オルタナカントリーの代表格ともいえるバンドの8枚目のアルバム」
W「1曲目にいきなりポストロック的な感じから始まるかっこよさ。カントリーやフォークベースにこういう新しい実験的な要素を取り入れていくあたりが、本当に素晴らしい」
『The King Of Limbs』レディオヘッド - Radiohead〔2011〕
P「トム・ヨークが新バンドAtoms for Peaceを結成するなど音楽の幅をさらに広げた後にリリースされた8枚目のアルバム」
W「他のアルバムが特徴があり凄すぎて、なかなか埋もれがちな本作ですが、実験性にとんでいて、聴いていて心地いいダンサブルな曲や浮遊感漂う曲など、ポストロックなサウンドを堪能できる中毒性の高い作品です」
『21』アデル - Adele〔2011〕
全世界20カ国で1位を獲得するなど記録ずくめのモンスターアルバム!
P「2010年代は女性アーティストの活躍が目をひきますが、その中でもやはり、このアデル(Adele)の2ndアルバムは筆頭」
W「失恋に対する離別を曲にしたという美しい楽曲の数々で、高ぶる感情をコントロールするかのように歌われるハイトーンが胸にしみます。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの『カリフォルニケイション』が大好きだということで、数曲でプロデュースにリック・ルービンを起用していることも特徴的」
『Wasting Light』フー・ファイターズ - Foo Fighters〔2011〕
P「ご存知、元ニルヴァーナのドラマー、デイヴ・グロールによるバンドの7thアルバム」
W「勢いと曲の巧みさのバランスがものすごくいいです。ハードな曲はどこまでも激しく、ミディアム調の曲は憂いがあってデイヴの声は本当にいいです」
『Sky Full Of Holes』ファウンテインズ・オブ・ウェイン - Fountains Of Wayne〔2011〕
P「アメリカパワー・ポップバンドの6枚目にして現時点のラスト・アルバム」
W「本当に良質なバンド。特に“Someone's Gonna Break Your Heart”のような曲のキラメキはたまりません。バンドの中心メンバーでもあるベースのアダム・シュレンジャーがコロナの合併症によって亡くなったのが、本当に残念」
『Never Trust A Happy Song』 グループラブ - Grouplove〔2011〕
P「アメリカ男女混成5人組バンドのデビューアルバム」
W「当時アップルのCMに起用されたりととにかくポップさのレベルが違います。多幸感溢れるメロディが満載で、男女掛け合いのヴォーカルが気持ちいいいです」
『El Camino』ザ・ブラック・キーズ - The Black Keys〔2011〕
P「アメリカ・オハイオ州出身のギター&ヴォーカルのダン・オーバックとドラムのパトリック・カーニーの2人組によるロックバンド」
W「ガレージテイストのローファイなサウンドが持ち味で、とにかくソリッドでかっこいい。もろホワイト・ストライプスとかぶりますが、よりマッチョな感じがあっていいです」
『Torches』フォスター・ザ・ピープル - Foster the People〔2011〕
P「アメリカ・ロサンゼルス出身のインディーロックバンドのデビュー・アルバム」
W「ダンサブルでポップなサウンドが持ち味で、聴いていて本当に楽しいです。大ヒット曲“Pumped Up Kicks”など癖になります」
『Colour Of The Trap』マイルズ・ケイン - Miles Kane〔2011〕
P「アークティック・モンキーズの中心メンバー、アレックス・ターナーの盟友で、ともに結成したザ・ラスト・シャドウ・パペッツでも知られるマイルズ・ケイン(Miles Kane)のソロ・1stアルバム」
W「ルックスも歌声も最高な彼ですが、ブリットポップ、モッズなど正統的なUKロックを受け継いでいる、現在では稀有な存在。アレックス・ターナーと元オアシスのノエル・ギャラガーもゲストとして参加しています」
『Kaputt』デストロイヤー - Destroyer〔2011〕
2011年のピッチフォークで年間ベスト・アルバムで第2位を獲得した名盤!
P「カナダ出身のシンガー・ソングライターで、元ニュー・ポルノグラファーズで活動したダン・ベイハーのソロ・プロジェクト」
W「バンド名だけ聞くとメタル系のバンドかと想像してしまいそうですが、まったくそのイメージと逆で、どちらかというとメロウでソフィスティケイトされたAORに近いサウンド。ハーモニーも美しく、センスのかたまりともいえるギターワークや、サックスの音色にくらくらします」
2010年
『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』カニエ・ウェスト - Kanye West〔2010〕
P「大統領の出馬を匂わせたりと何かとお騒がせなスーパー・ラップスター、カニエ・ウェストの名盤です」
W「ヒップホップだけにとどまらず、とにかくものすごいアイディアがつまった大傑作で、サンプリングのネタ元としてキング・クリムゾンの“21世紀の精神異常者”やブラック・サバスの“アイアンマン”などを使ったりしていて、ロックファンも十分楽しめる名盤」
『Doo-Wops & Hooligans』ブルーノ・マーズ - Bruno Mars〔2010〕
P「今をときめくポップスター、ハワイ出身のブルーノ・マーズによる傑作1stアルバム」
W「売れ線であるとかいろいろ評価はわかれる部分はありますが、バラードからR&B、ファンクなどバラエティあふれるポップな楽曲をこれでもかと詰め込み、まさに1stでやれることをやった、いきなり集大成という感じのアルバム。メガヒット曲の“Just The Way You Are”はもちろんのこと、特に“Talking to the Moon”はこの年代を代表する名バラード」
『Halcyon Digest』ディアハンター - Deerhunter〔2010〕
P「2001年にアメリカのジョージア州アトランタで結成されたアート・ロック寄りのバンドの5thアルバム」
W「音数も最小限に、アンビエントからフォーク・サイケな楽曲など浮遊感があり、夢見ごこちなサウンドが展開されています」
『The Archandroid』ジャネール・モネイ - Janelle Monáe〔2010〕
近未来からやってきた歌姫によるアフロフューチャリズムの傑作!
P「アウトキャストのビッグ・ボーイに見出されたアメリカ出身の女性アーティストのデビュー・アルバム」
W「近未来をテーマにしたコンセプトアルバムで、ジャズやR&B、ロック、ファンクと変幻自在に曲調が変わりながらもストーリー性のある流れを感じさせる傑作」
『This Is War』サーティー・セカンズ・トゥー・マーズ - Thirty Seconds to Mars〔2010〕
P「ヴォーカルが俳優もこなしているというアメリカのバンドの3rdアルバム。このアルバムは本国では2009年リリースだけど、日本盤は2010年ということで許してほしいです」
W「300人のファンを集めてコーラスや手拍子などを録音したとのことで、そのコーラスがだいぶ、エモい。ちょっと気恥ずかしさも感じてしまうような部分もありますが、勢いと叙情性はハンパないです」
まとめ
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