こんな方に
- 面白い小説を知りたい方
- 感動したり、心揺さぶられる作品を読みたい方
- テーマ別に小説を探したい方
こんな方におすすめのヒューマンドラマ系小説をご紹介します。
※作品年度は初出を表記しています。
※本ページはプロモーションが含まれています
恋愛がテーマの作品
『赤と青とエスキース』青山 美智子〔2021〕
恋愛や仕事、この人やものに出会わなければ、今の人生と違っていたということは誰にでもきっとあるはずです。
この作品は、“エスキース”と名付けられた一枚の絵を媒介に、留学先で出会った二人、額縁職人の師弟関係、漫画家とその元アシスタントなど、それぞれ赤色と青色のようにお互いの存在を引き立たせて必要としあう4つの物語が描かれています。
エスキースとは絵画の下書きのことで、漫画でいうならネームのようなもの。ラストで“エスキース”と名付けられた意味ともう一度読み返したくなる仕掛けが待っている感動作。
『ノベライズ 花束みたいな恋をした』黒住 光 脚本:坂元 裕二〔2021〕
まず何と言ってもタイトルが秀逸。読後感がまさにタイトル通りです。
夢や趣味趣向も現実の生活の前には押しつぶされてしまいがちです。大仕掛けはないけれど、そんな地位もカネもない若い頃特有の何者にもなれない感じと気持ちのすれ違いが見事に描かれています。
過去の苦い経験に思いあたる人も多いのでは。ただこう思うのも、この結末に納得できるのも自分が歳を重ねたせいもあるのでしょうか。
名脚本家、坂元裕二さん脚本映画のノベライズ本です。
『マチネの終わりに』平野 啓一郎〔2016〕
日本、パリ、ニューヨークを舞台に、クラシックギタリストの主人公と海外通信社所属の女性ジャーナリストとの深く愛し合いながらもすれ違う、切ない大人のラブストーリーです。
その愕然とするすれ違いの理由はお楽しみですが、クラシックギターの世界で名声を手にしながらも苦悩を抱えていたりとたくさんのテーマがあります。
さらに、フランスでおこったテロの様子が描かれていますが、ノンフィクションのような現実とリンクするリアルな設定と構成のうまさにただただ脱帽です。
生き方の意義というものを問われているようで、読んでいて考えさせられる一冊です。
『ナラタージュ』島本 理生〔2005〕
恋愛小説の旗手としてあげられる著者が20代前半に描いた代表作です。
倫理的にも道理的も許されない教師と生徒の恋愛が、小説やドラマのなかでよく描かれるのは、それだけ特別な愛の形や深い背景を描くことができるからでしょうか。
「ナラタージュ」とはある人物の語りや回想によって再現する映画手法で、その言葉と意味に着想を得て、過ぎた過去をいつも現在に重ねているというストーリーとタイトルにも取り入れられたとのことです。
愛することに年齢は関係ないとは思うけど、それに引きずられる人生はやはり切ないと感じさせる作品です。
『センセイの鞄』川上 弘美〔2001〕
40歳を目前にしたツキコが行きつけの居酒屋でばったりかつての高校の恩師と出会ったことから始まる連作短編集です。
歳の差も30歳も離れていてすでに老いの域に達しているセンセイと、憎まれ口をたたきあいながらお互い割り勘で呑み、気の置けない間柄となっていきます。
キノコ刈りや花見などに一緒に出かけるなど、つかず離れずで淡々と進んでいく中で、ゆったりと心が揺れ動いていく大人の物語です。
ラストの表題作にきっと涙腺が緩むはず。
病気がテーマの作品
『ライオンのおやつ』小川 糸〔2019〕
余命を告げられた主人公の海野雫が、瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」で残された時間を過ごすという作品です。
そのホスピスでは、毎週日曜日、入居者がもう一度食べたいおやつをリクエストして、みんなで食べるという「おやつの時間」があるのですが、雫はなかなか決めきれません。
さまざまな入居者がいて、その出会いと別れ、そして、入居者たちの最後に食べたいおやつのエピソードに、何度涙腺が緩んだことか。残りのページ数を感じるほどに、読み終わるのが切なく感じてしまいました。
この物語ではひとつの死生観を描いていますが、読む人によってその捉え方は違うのではないでしょうか。過去や現状を嘆くのではなく、今を生きることの大切さを教えてくれる、そんな一冊だと思います。
『長いお別れ』中島 京子〔2015〕
元校長もつとめた父親の認知症という病。老老介護を続ける妻とそれぞれの生活を送りながら支える三姉妹による10年にわたる父の病とのつきあいを描いた連作短編集です。
重いテーマでありながら、それぞれの家族に細かくスポットをあててほっこりするエピソードを紡いでいくのが素晴らしいです。
言語も思い出も、病の前には現実がこんなにもあやういものになってしまうのかと愕然とさせられるし、綺麗事だけではすまない現実がこの小説にはしっかりと描かれています。
著者が実際に認知症を患った父を見送った経験をもとに描いているだけあってドキュメンタリーを読んでいるかのようなリアルさがあります。
家族がテーマの作品
『とんび』重松 清〔2008〕
泣いて、泣いて、さらに泣ける、私的泣ける小説ナンバーワン作品
粗野で不器用だけど周りからも慕われるヤスと一人息子のアキラが生まれてから大人になるまでを描いた父と息子の物語です。
愛妻・美佐子への想いと父親としての葛藤、それを周りで支える人々の優しさ、喜びと悲しみがぎっしりと詰まっていてどれをとっても心にグザグザ刺さりまくます。
きっと誰もが家族に想いを馳せるであろう心が震える不朽の名作。
堤真一さん、内野聖陽さん、阿部寛さんがドラマや映画でヤスを演じていますが、あなたの脳内変換は誰がぴったりハマるでしょうか。
『そして、バトンは渡された』瀬尾 まいこ〔2018〕
血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった17歳の森宮優子が主人公の物語です。
高校生活のタイムラインの中に過去の思い出として、その時々の家族の形態の物語が挟みこまれていくストーリー展開なので、まるでミステリーの謎解きをしていくかのように展開し、その血のつながらない親子関係の愛情と葛藤のようなものに、妙に納得させられます。
あえて書くと、普通この手の内容だと継母がひどかったりと不幸なテーマで描かれることが多かったりするのでしょうが、この小説は、それを逆手にとるかのようにほぼ善意に溢れています。
第16回(2019年)本屋大賞を受賞した傑作中の傑作です。
『星やどりの声』朝井リョウ〔2011〕
男三人女三人の6人兄弟姉妹と喫茶「星やどり」を営む母の物語です。
それぞれの兄弟姉妹を主題とした6章で構成されていて、家族、友人に対する葛藤や、それぞれが癌でなくなった父への秘めた想いが描かれています。
雨から身を守る雨やどりに対して、満点の星が落ちてこないようにするという想いから建築家の父が店を改装し「星やどり」という店名を名付けたその意味とは。
一見感動的な家族愛に溢れているけど、家族という重荷を背負うということの大変さも考えさせられる傑作です。
『流浪の月』凪良 ゆう〔2020〕
親戚の家で育てられる幼児の主人公は、その家に馴染めず、家を出るもののいくあてもなく、それを助けてくれたのが19歳の少年です。
彼女にとっては誰よりも家族と感じられるその少年とのささやかな暮らしだったのに、幼女誘拐事件の犯人として逮捕されてしまうというのが、導入の簡単なあらすじとなります。
実際、この小説で扱われている題材の幼女誘拐事件やストーカー、DVなど当然世間で許しがたいものである一方、この主人公たちのような立場の方がもしいるとするならば、やりきれなさを痛感します。
世間一般の常識とは別のところで救いを求めている事実もきっとあるであろう、そんな側面に目をむけさせてくれる傑作です。
『ふがいない僕は空を見た』窪 美澄〔2010〕
この小説の性描写は気恥ずかしくなるぐらい生々しい感じですが、でもその部分はこの小説の主題ではないと思います。
高校生と主婦の不倫によって直面する人生のつらさに、その高校生の彼女、親友、母親それぞれが苦悩し、それでも生きていくために立ち向かわなければいけない一筋の光のようなものが描かれています。
各々の苦悩とドラマを5人の視点から描く連作の長編です。
R-18文学賞大賞と山本周五郎賞を受賞し、さらには本屋大賞も2位と、その年の賞レースの話題をさらったまさにR-18な傑作。
『キネマの神様』原田 マハ〔2008〕
40歳を目前にして会社を辞めてしまった歩と趣味は映画とギャンブルという歩の父が主人公です。
マンションの管理人をしていた父が心筋梗塞で倒れ、入院してしまい、歩がその代わりをつとめた際、管理人日誌をみつけ、そこに書かれた十七年分にわたる映画日誌を見て、それに触発され名画座で鑑賞した映画について書いたことからドラマが動き出します。
父がそれを映画雑誌「映友」に投稿したのがきっかけで、歩は編集部に採用され、ひんなことから父の映画ブログがスタートすることに。そのブログが数々の奇跡をまきおこすのですが、それは読んでからのお楽しみです。
原田さんの実体験をもとにした、映画愛にあふれた映画好きにはたまらない傑作です。
『西の魔女が死んだ』梨木 香歩〔1994〕
中学校に進学してまもなく不登校になった少女まいは、“西の魔女”こと祖母の家でひと月あまりを二人で暮らすことになります。
自然に囲まれて自給自足で暮らす祖母に、魔女修行の手ほどきを受けていきますが、それは生きていくうえで大切なことを学ぶことになります。
児童文学でありながら、現代病に染まっている大人にもヘタな自己啓発本を読むよりは、よっぽどタメになると言えるでしょう。
鮮やかなラストで死という重くなりがちなテーマををポジティブに描いています。
青春がテーマの作品
『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井 とりお〔2019〕
帯の“辻村深月さん絶賛!!”という文字で、読んでみた作品ですが、これがまさに納得の読後感です。
いわゆるヤングアダルトもので、ひらがな多め、文字大きめですが、児童向けってこんなにヘビーなの?というぐらい、見た目に対する偏見やいじめに切り込んでいます。
いじめがきっかけで学校に行けなくなった、小学6年生の火村ほのかがたどり着いたのは、おんぼろ図書館。そこで出会う“へびおとこ”と心ないあだ名をつけられている司書、謎の少年、そしてたくさんの本に出会い、ほのかの世界は少しずつ動き出していきます。
児童向けというよりは、大人が率先して読む内容かもしれません。
『蜜蜂と遠雷』恩田 陸〔2016〕
ピアノコンクールという、あまり一般的には知られていない世界を、圧倒的なボリューム感で描いています。
「エントリー」「第一次予選」「第二次予選」「第三次予選」「本選」とただコンクールにそって進んでいく展開なのですが、それぞれのキャラクターの視点で語られ、章ごとに感情の起伏に富んだドラマがあるので、まったく飽きさせません。
なんといってもこのタイトルのセンスが作品とぴったりとリンクしていてすばらしいと思いますし、読んでいるのに音が聴こえてくるかのようで不思議な作品です。
『本屋さんのダイアナ』柚木 麻子〔2014〕
大穴と書いてダイアナ。その名前や親によって染められた金髪のせいでいじめられる女の子を、ただ一人褒めてくれたまったく正反対の彩子が主人公。
二人の共通の趣味が運命とも言える一冊の児童文学です。
タイトルだけ読むとお仕事小説かと思うけど、小学3年生から20代前半までの二人の物語を交互の視線で描く人生の葛藤と友情の物語です。
作品の下敷きとなっている『赤毛のアン』シリーズをはじめとする著者の女性文学愛に溢れていてガイド本としても楽しめる傑作です。
『私を知らないで』白河 三兎〔2012〕
この作品は本の雑誌社が刊行している『おすすめ文庫王国2013』で大賞ベスト1にも選ばれた作品です。
転校生には転校生の処世術が、クラスで仲間外れにされている少女にはその子なりの流儀と心に抱えた秘密があります。
同じ時期に中学に転校してきた二人の男子がいて、その少女に二人とも惹かれるのですが、3人はそれぞれ家庭の事情を抱えています。
3人の人生が交わっていくミステリー的な青春小説で抜群のセンスと斬新なストーリーで一気読み必至です。
『横道世之介』吉田 修一〔2009〕
インパクトのある主人公の名前を冠したこの作品、井原西鶴の『好色一代男』から名付けられたという世之介青年の物語です。
長崎から大学進学のために上京してきた物語を、各月ごとに12章に分けて、1年間が描かれています。
なんの特技も持ち合わせていないが、人柄がよく、誰からも愛されるちょっと間のヌケたにくめない性格で、なぜかなりゆきでサンバサークルに入り、バイトに明け暮れつつも、様々な人たちと関わりを持ち、恋をし、ちょっとした事件にまきこまれたり、いろいろなできごとを体験したりと、そんな日常が描かれています。
この小説の青春が描かれているのは、実は20年前の過去のお話。その章の途中にインサートされる形で、世之介と大学時代に関わった20年後(現在)の人物たちの現在の様子が描かれるのですが、そのギャップがなんとも言えない深みが感じられます。
仕事や人生がテーマの作品
『お探し物は図書室まで』青山 美智子〔2020〕
読んだ感想として、タイトルからイメージされる内容は、いい意味で半分あたっているようで、半分違っていました。
人生の岐路にたつ悩みをかかえた人たちに、一見求めているもととまったく関係のないような本を司書が提案し、その本をきっかけに自分自身で、その悩みを乗り越えていこうとします。
自分の仕事に誇りを持てない若い子から、夢をかなえたいと思う若者、ニート、出産を機に閑職に追いやられた女性、定年退職した男性の5編の連作短編集。
今漠然と悩みを抱えている人にはきっと背中を教えてくれるであろう良本です。
『三千円の使いかた』原田 ひ香〔2018〕
お金のことを考えて人生の岐路やピンチを乗り越える姿を描く「節約」家族小説
この小説に出てくる御厨家は金銭感覚がそれぞれで、娘2人、母、祖母とそれぞれが貯金額に対して思いや悩みを抱えています。
そんな節約家族が、人生の岐路やピンチに直面し乗り越えるにあたり、お金を貯めるためにどうしたらいいかや、他人と比べて自分の節約生活を振り返ったりと悩み、前に進んでいきます。
小説でありながら、お金に対する将来設計を見つめ直すヒントがぎっしり詰まった「節約」ヒューマン作品の傑作です。
『地球星人』村田 沙耶香〔2018〕
ジャンル分類が難しい、英BBCや米ニューヨークタイムズでも絶賛された傑作
いったい自分は何を読まされているんだろうという読後の衝撃、タイトルだけ読むと阿部公房あたりのSF作品かと思うが、そうではありません。
自分が魔法少女で、いとこは宇宙船から捨てられた宇宙人だと思い込んでいる主人公。のどかな田舎への帰省風景からだんだんぐにゃりと歪み出すストーリー。おかしいのは主人公か、それとも世間一般なのか。
我々が生きるいびつで不条理なこの現実に一石投じられています。
『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した著者による英BBCや米ニューヨークタイムズでも絶賛された傑作です。
『当確師』真山 仁〔2015〕
選挙ほど人間ドラマとして面白いものもそうそうないです。それをあの『ハゲタカ』シリーズの著者が描くのだから面白くないわけがありません。
政令指定都市の市長選挙をめぐり、選挙コンサルティングなる主人公が、あの手この手を使って、当確に導いていきます。
選挙において勧善懲悪はありえません。綺麗事や正論を言っているようでも、逆の立場になれば信用できないのが政治の世界。だまされないようにしっかり見極めて投票しなければ、と考えさせられます。
ストーリー上、結末が想像できてしまうところは残念ですが、軽く政治の関心に目を向けるには最適な一冊。
『県庁おもてなし課』有川 浩〔2011〕
物語はフィクションですが、「おもてなし課」は高知県の県庁に実在するとのこと。
県の観光をアピールしたい思いはあっても、縦割り行政によるスピード感と民間目線が足りない職員に、観光特使を依頼された地元出身の作家がその「お役所仕事」からの脱却に力を貸して、盛り上げていきます。
高知県出身の著者が、実際に観光特使を依頼された経験をもとに書かれた部分もあるといいます。
恋愛や人間模様もあり、高知県の魅力も存分に味わえる観光学のバイブルとも言えるお仕事小説の傑作。
『神様からひと言』荻原 浩〔2002〕
大手広告代理店を辞め、メーカーに転職したもののトラブルによっていわゆるリストラ部署に飛ばされるストーリーです。
この本が書かれた時代から20年近くたち、会社のパワハラやコンプライアンスが世間で問題視されるようになってきたけど、世の中がそれらの暗部を見て見ぬフリをしてまかり通っていた時代のまさにど真ん中の作品。
そこまではさすがにと感じる誇張とリアルのギリギリな展開ではあるものの、コメディタッチとシリアスな展開が入り混じっています。
半沢直樹の余波のような求めることもあるのが、痛快サラリーマン小説として今なお売れ続けている息の長い作品。
『トワイライト』重松 清〔2002〕
白髪が目立つ年齢になってくると仕事も家庭もままならない状況にもんもんとしている人も多いのではないでしょうか。
そんな年代にとっては、あまりに感傷的な気分に陥る小説です。
小学校の時に埋めたタイムカプセルを掘りかえすために集まった同窓会で、思い描いた40歳という年齢はSFの世界とも言える輝かしい未来そのものだったはずだったのに、仕事のリストラや家庭内のDV、過去の栄光と現在のギャップなど、再会を楽しむ気持ちとは裏腹に現状に苦しむ仲間たちを目の当たりにします。
今幸せだと胸を張って言えるだろうか、そんなことをつい考えてしまう切ない群像劇です。
『海炭市叙景』佐藤 泰志〔1991〕
作者の出身地、函館をモデルにしたと思われる海炭市という、架空の北国の都市が舞台の群像劇で、18の物語がそれぞれ9篇ずつ第一章と第二章に分かれて描かれています。
若い兄妹、首都(東京のことだと思うが)から故郷に戻ってきた若夫婦、家庭に問題を抱えるガス店の若社長、14歳の少年、定年間近の路面電車運転手、職業訓練校に通う中年、競馬に入れ込むサラリーマンなどなど、多種多様な人生が描かれていて、発展していく都市とは裏腹にそこに登場人物だけ取り残されていくかのようで、多少希望を感じさせる話もありつつ、そのほとんどがどこか物悲しくも引き込まれるような感じです。
佐藤泰志さんは知る人ぞ知る近代文学作家ですが、1990年41歳の若さで自殺により、この世を去っていて、この海炭市叙景は遺作でもあります。本来は36の物語からなる作品になるはずであった未完の短編小説で、作品を季節でたとえるならば、この18の物語は冬と春であり、このあとに夏と秋が用意されていたらしいということで、完結していたら、また違った印象になっていたのではと想像してしまいます。
おそらく、好き嫌いのはっきり分かれる作品ではあると思いますが、好きな人にはたまらない世界観だと思います。
まとめ
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